ご挨拶

第27回日本癌病態治療研究会
当番世話人 永瀬 浩喜

千葉県がんセンター研究所長
千葉大学大学院医学薬学府分子腫瘍生物学 客員教授

2018年5月31日(木)と6月1日(金)の二日間で例年通り、第27回日本癌病態治療研究会をお世話させていただきます。本会は、千葉大学 名誉教授 磯野可一先生、東海大学 名誉教授 生越喬二先生の多大なるご尽力のもと1992年に発足し、27回を数えるに至っております。この歴史ある会をお世話させていただくことは大変光栄なことであり、喜びとともに責任の重さを痛感しております。2015年日光での獨協医科大学 加藤広行教授が盛大に行われた本会で、理事長として本会の運営に勢力的に取り組まれている福島県立医大 理事長兼学長 竹之下誠一先生のご使命を受けお世話させていただく運びとなりました。また若輩の運営になるにもかかわらず、賛同いただきました本会理事、世話人、施設代表者の先生方にも心より感謝しております。

この会の末席に加えさせていただきました時、外科医の先生方が真剣に基礎医学研究を語り合う姿を目にし、私の恩師であります熊本大学名誉教授小川道雄先生の「こころ 分子におきて メスを構えるべし」というお言葉を実践する先生方の集まりと感嘆したのを思い出します。私はメスをピペットマンに置き換え基礎研究に身を置くこととなりましたが、「こころ患者におきて分子に対峙すべし」という姿勢で研究に取り組ませていただき、メスだけでは治療が困難な患者を根治出来ないかと基礎研究創薬研究に励んでまいりました。

癌病態や治療の研究は、分子から一分子、さらに原子へとミクロな方向に進むとともに逆に分子の集合、細胞塊、周囲環境、臓器、個体、集団、環境へとマクロの集合体としての理解へも研究が進んでいます。これらの多岐にわたる研究の成果が、今、がんを治療できる病気へと概念転換に導こうとしています。免疫チェックポイント治療や新たな分子標的治療そしてそれらを用いた集学的な治療が今まで困難であった難治性の固形癌にも根治の可能性の光を当て始めました。本会では、シンポジウムやパネルディスカッションで「癌病態の発見、その治療法への応用」、「がん診断法の発見、早期診断、コンパニオン診断に向けて」、「癌治療法の発見、難治固形腫瘍にどう取り組む」、「分子腫瘍生物学からの発見、外科治療への応用」の4つを取り上げます。上記のテーマに限らず、ポスターや一般演題を含め、様々な癌病態治療研究に関する演題を募集いたします。何卒奮ってご演題を応募いただけましたら幸いです。さらに新しい試みとして千葉県がんセンター国際シンポジウムを6月1日の午後に設定しました。海外から高名な3名の研究者と国内の研究者で国際シンポジウムを行います。本国際シンポジウムにも引き続きご参加いただけましたら幸いです。

また、今回の研究会では、「癌病態発見伝」というテーマを挙げさせていただきました。癌病態そのものの発見と癌病態から新たな治療法が生まれる発見、そしてその治療に合う患者を選択する診断法の発見、さらにがんを予防するもしくは早期診断する方法の発見を念頭に会を開催できればと準備させていただいております。千葉での開催にちなんで南総里見八犬伝から房総をイメージしていただこうとテーマを考えた次第です。ポスターには「こころ(ハート)」をイメージしていただこうと千葉県の新たな名所、君津市の濃溝の滝の写真を使用させていただきました。もちろん、学問、癌病態治療研究が最優先ですが、会終了後の週末にでも普段はなかなか足を運べない近そうで遠い房総へも足を延ばしていただき、千葉県を満喫していただければと考えております。会場のホテルポートプラザちばは千葉みなと駅前に位置し、内房外房への列車に直接乗車できます。

本会が活発な議論と癌病態治療研究の益々の発展の一助となればと運営に誠心誠意尽くしていく所存です。しかしながら、何分不慣れな運営ですので至らぬ点も多いかと思いますし、開催にあたりましては、関係先生方の暖かいご支援、ご指導を賜ることが出来なければ困難になると考えます。よろしくご高配のほどお願い申し上げます。

みなさまの多数の参加をお待ちし、本会の特徴ともいえる最先端の活発な質疑討論と若手の研鑽の場として、参加者のみなさまよりの暖かいご指導と活発な討議をいただけますようお願い申し上げます。

末筆となりたいへん恐縮ですが、本会のお世話にあたり多大なるご支援と温かいご指導を頂いた千葉大学大学院医学研究院 先端応用外科学 松原久裕 教授および千葉県がんセンター 山口武人 病院長に心より感謝申し上げます。

2017年6月吉日